ベトナム難民の「今」、30年をむかえて

 2005年11月26日、神戸において『ベトナム難民の「今」、30年をむかえて』と題する集会が開催されました。主催は、関西で難民を支援するグループが参加する実行委員会で、本会も参加しました。

 集会では、早稲田大学大学院教授の川上郁雄さんが、日本がベトナム難民を受け入れた当初から調査、研究されてきた経験をふまえて、「難民の課題は難民の側にだけあるのではなく、難民は日本社会の影響を受けながら生活しているのである。したがって、難民が定住していくということは、社会が難民をどう見ているかということと密接に関係している。」と日本社会の受け入れる側の問題を指摘した上で、様々な課題について述べられました。

 また、現在兵庫県の私立学校の教員である、ブイ・ティ・ミン・ヒュウさんは、自分の体験をまじえて、子どもたちが日本語化していくにつれて、親との間に溝が生まれていることを説明し、教育の大切さを話されました。
 2部では、ベトナム難民2世のブハビェトニャト・ホアイナムさんが、両親が難民として日本にきた経緯を聞いて感じたことや、日本で生まれた自分が何人なのか、葛藤している気持ちをつづったラップを披露してくれました。
 その後、大阪・兵庫で活動する支援グループから、継承語や在留資格、子どもの教育等々が、それぞれのテーマにそって報告されました。
 集会ではこれからの提言まで議論を深めることはできませんでしたが、これを契機に支援グループどうしでネットワーク化し、情報交換、共同の取り組みを行っていくことになりました。